研究会 第11回 心臓核医学研究会 マルチゲート心プールSPECTによる左室局所壁運動評価:放射状左室長軸断層法による長軸断面での解析
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
局所心筋における冠灌流状態と収縮機能との関係の評価は,虚血性心疾患におけるhibernating myocardiumおよびstunned myocardiumなどの病態解析,冠血行再建術の適応の決定に役立つ.そこで,本研究では,タリウム心筋SPECT,マルチゲート心プールSPECTの連続計測を行い,両者のデータからそれぞれ,既報の「左室放射状長軸断層法」に基づき左室中心軸を中心に放射状に位置する左室長軸面断層像(R-L-A)を再構成し,長軸面でタリウム心筋分布と局所心筋壁運動の観察を可能にする画像処理法を開発した.馬蹄形の心筋長軸像でのタリウム分布を定量評価するprofile analysisの開発を行い,6度間隔30スライスのR-L-A像に適用し,その結果をBull's eye表示した.拡張宋期および収縮末期のR-L-A像において左室輪郭を60%cut-offlevelにて抽出し,両者の重ね書きにより局所壁運動異常を観察し,またcenterline methodに準じた方法で心筋局所短縮率を測定,Bull'seye表示した.この両者のBull'seye表示の比較により,冠灌流分布と局所心筋収縮機能を比較した.その結果,タリウム分布が正常(心筋はviable)でもasynergyを呈する領域が観察され,hibernating myocardiumの状態を呈する領域が容易に同定された.また冠血行再建術の適応決定および効果判定に本法は非常に有用であった.
- 公益財団法人 日本心臓財団の論文
公益財団法人 日本心臓財団 | 論文
- 臨床 発作性上室性頻拍症の自然停止様式
- 症例 急性心筋梗塞を合併した大動脈炎症候群の1剖検例
- 臨床 さまざまな疾患に出現する臥位性期外収縮の分析
- 第46回循環器負荷研究会 特発性心室頻拍の高周波カテーテルアブレーション前後での運動負荷試験に対する反応:電気生理学的検査(心室プログラム刺激)との比較検討
- 症例 2種類の心房周期をもつ慢性心房頻拍の1例