症例 先天性異型大動脈縮窄症:小児手術例と乳児剖検例の報告
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概要
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先天性異型大動脈縮窄症の2症例を経験した.<BR>症例1は14歳女児,特別な既往歴なし.上肢高血圧にて発見され,血管造影でTh<SUB>7</SUB>-Th<SUB>10</SUB>に相当する胸部大動脈に狭窄病変を認めた.組織学的検討は行っていないが,狭窄部では周囲への癒着はなく,内腔のみならず外径自体が非常に細いことより先天性異型大動脈縮窄症と考えられた.治療は狭窄部へのバイパス形成術として,直径12mmの人工血管を端側吻合した.術後は上肢収縮期血圧140-150mmHgの軽度の高血圧が残存している.<BR>症例2は生後3カ月男児.呼吸停止,心停止の状態で来院し,蘇生を試みたが反応しなかった.剖検所見では腸重積の他,腎動脈分枝部より宋棺の腹部大動脈に狭窄病変を認め,心肥大も伴っていた.腹部大動脈縮窄部は外径自体も細く,周囲への癒着はなかった.組織学的には,内膜,中膜,外膜ともに殆ど肥厚はなく,炎症像,線維化なども認めず形成不全を思わす所見であった.<BR>先天性異型大動脈縮窄症はまれな疾患であり,特に症例2は剖検で偶然に発見され,組織学的に検討しえた貴重な乳児例である.
- 公益財団法人 日本心臓財団の論文
公益財団法人 日本心臓財団 | 論文
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