症例 非定型的経過をとり大動脈弁逆流を合併した川崎病の1例
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概要
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川崎病に合併する心臓病変として大動脈弁閉鎖不全症の報告はいまだ少数であり,その発現時期および転帰も様々である.今回我々は生後2カ月の男児で川崎病発症後,20日目に心雑音に気づかれ,カラードップラー心エコー検査にて大動脈弁逆流を証明し得た1例を経験したので過去の報告例と共に若干の考察を加えて報告した.これによると大動脈弁閉鎖不全症が川崎病発症後1カ月以内に起こるearlyonsetの症例は病初期のpancarditisが大動脈弁膜にまで波及することによって発症すると考えられた.また本症例では病初期の一過性の血小板減少および低補体血症が認められ,その発生機序を文献的に考察した.なお,川騎病に合併した大動脈弁逆流をカラードップラー心エコー図で記録した報告は,我々の知るところこの報告が最初と思われる.
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公益財団法人 日本心臓財団 | 論文
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