研究会 第22回 理論心電図研究会 マグネシウムと心臓電気生理 アセチルコリンによる心房筋カリウムチャネル活性化における細胞内マグネシウムの役割
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概要
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アセチルコリン(ACh)およびアデノシン(Ado)による心臓K<SUP>+</SUP>チャネル活性化の分子機構と細胞内Mg<SUP>2+</SUP>の役割について,モルモット単一心房筋細胞を用い検討した.Patch電極によるwhole cell voltage clampおよびpatch clampを行った.我々の検討により次の事が明らかになった:(1)AChとAdoは全く異なった膜受容体(muscarinic ACh-RとP 1-purinergic R)を介して,同一の特異的なK<SUP>+</SUP>チャネルを活性化する.(2)GTP-bindingprotein(NiあるいはNo)がこれら膜受容体とK<SUP>+</SUP>チャネルとを共役している.(3)このK<SUP>+</SUP>チャネルの活性化には細胞内second messengerは関与していない.さらに,細胞内Mg<SUP>2+</SUP>がGTPによるN蛋白活性化に不可欠である事もわかった.これらの結果よりN蛋白によるKやチャネル活性化のモデルを提出した.次にチャネル活性化の分子機構をさらに検討するため,精製N蛋白サブユニットとAlF4琢の効果を検討した.ウシ脳精製βγサブユニットはこのK<SUP>+</SUP>チャネルを著明に活性化したが,この活性化にはMg<SUP>2+</SUP>は必要ではなかった。一方,AIF4によるK<SUP>+</SUP>チャネルの活性化にはGTPの場合と同様に細胞内Mg<SUP>2+</SUP>が不可欠であった.以上の結果より,細胞内Mg2やは少なくともN蛋白がサブユニットに解離するstepに不可欠であると推定された.
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