症例 ビタミンB<SUB>1</SUB>燐酸化障害による脚気心の1例
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概要
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約10年前より,我が国で,主に若年者に発症するビタミンB<SUB>1</SUB>欠乏による脚気心が報告されているが,我々は今回,ビタミンB<SUB>1</SUB>酸化障害により発症した脚気心を経験し,Swan-Ganzカテーテル挿入下に,フルスルチアミン100mgを静注し,静注開始後わずか!5分後に,心拍出量が13.7<I>l</I>/分から7.9<I>l</I>/分へ減少し,末梢血管抵抗が460dynes・sec/cm5から890dynes・sec/cm5へ増加するのをみた.ビタミンB<SUB>1</SUB>燐酸化障害はビタミンB、20mg負荷試験により診断した.ビタミンB<SUB>1</SUB>燐酸化障害による脚気心の治療には,ビタミンB<SUB>1</SUB>大量投与が有効といわれており,本例でも,通常投与量では血行動態は完全には正常化せず,大量の投与により正常化した.食生活上,ビタミンB<SUB>1</SUB>欠乏のない者にも脚気心が発症しうることは,臨床上,注意を要すると思われる.
- 公益財団法人 日本心臓財団の論文
公益財団法人 日本心臓財団 | 論文
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