研究 僧帽弁狭窄症の弁置換後遠隔期左室機能:とくに合併した三尖弁閉鎖不全の与える影響について
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概要
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MVRを行ったMS症例およびMVR+TAPを行ったMS+TR症例の計24例を対象とし,術前および術後平均2年の遠隔期にカテーテル法により左室ポンプ機能を評価し,その術前後の変動を検討した.また,このうち15例には遠隔期動的負荷試験を行い,その左室機能について調べた.<BR>MS単独9例では術前にくらべ遠隔期にはLVESVIの減少,LVEF,CIの増加が認められ,左室ポンプ機能は有意に改善した.術前2度TRを合併していたMS+Tr 7例では,遠隔期のLVEDVIがMS単独例に比べ高値であった以外は,MS単独例と同様,左室ポンプ機能はよく改善した.術前3度以上TRを合併していたMS+TR 8例では,遠隔期に左室ポンプ機能の改善はえられず,LVEDVI,LVESVIは術前後とも高値にとどまった.<BR>さらに,動的負荷試験では,洞調律を示した3例を除き,負荷時LVEDPは上昇し,SIはわずかな増減であったことから,MS症例の術後遠隔期に左室心筋傷害が残存していることが示唆された.
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公益財団法人 日本心臓財団 | 論文
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