症例 幼少時より著明な徐脈を認めたpersistent atrial standstillの1例
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概要
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20歳,男性.5歳時から徐脈と胸部X線上の心拡大を指摘されていたが,自覚症状はなかった.18歳頃から出現した全身倦怠感と胸部圧迫感のため精査を希望して入院した.入院時心拍数は27/分で,心胸郭比も60%と拡大していた.心電図では房室接合部調律,心エコー図および左室造影では,左室拡大と壁運動低下を認めた. His 束電位図では, 心房刺激を行ってもa波を誘発できず,persistent,totalな心房停止と診断した.成因として拡張型心筋症などを疑ったが,ペーシング開始後1カ月で心胸郭比は54%と減少し,心エコー図でも左室後壁運動の改善を認めた.<BR>本例のごとく,幼少時から徐脈を認めた心房停止の成人例はまれで,ペーシング開始後心胸郭比が減少したことも興味深く,若干の考察を加えた.
- 公益財団法人 日本心臓財団の論文
公益財団法人 日本心臓財団 | 論文
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