臨床 WPW症候群における頻拍の臨床的検討
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概要
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教室ではこれまで85例のWPW症候群を経験,全例に電気生理学的検査を行い,うち68例に対し副伝導路切断術を施行した.これらの症例には全例何らかの頻拍性不整脈が合併していた.<BR>回帰性頻拍は66例(97%)に認められ,最も多くみられた頻拍であった.心房細動あるいは粗動性頻拍はそれぞれ33例(48.5%),11例(16.2%)に認められ,正常人に比べ非常に高い発生率であった.心房細動性頻拍の1例は心室細動に移行し,直ちに電気的除細動を必要とした.また測定された副伝導路の不応期に比べ,心房細動時の最短R-R間隔の方が短い症例が多かった.潜在性WPW症候群は10例経験し,6例に手術を行ったが,全例左心型であった.複数副伝導路症例は10例(14.7%)認められ,速度が異なった頻拍の出現,幅広いQRSの出現等が複数副伝導路の存在を示唆した.
- 公益財団法人 日本心臓財団の論文
公益財団法人 日本心臓財団 | 論文
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