臨床 冠静脈洞調律の先天性心疾患における意義
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概要
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心電図II,III,aV<SUB>F</SUB>誘導での陰性P波で示される逆行性P波調律は古くより冠静脈洞調律と呼ばれ,先天性心疾患特に左上大静脈遺残症,静脈洞型心房中隔欠損症,下大静脈欠損症例で高頻度にみられることが知られている.経験したこれら疾患群のうち,冠静脈洞調律を呈したのは左上大静脈遺残合併例35例中7例(20.0%),静脈洞型心房中隔欠損症14例中4例(28.6%)の高率であった.下大静脈欠損例の1例は左上大静脈遣残を合併し冠静脈洞調律であった.対照として選んだ卵円窩型心房中隔欠損症173例中冠静脈洞調律は5例(2.9%)にとどまった.卵円窩型心房中隔欠損症例の術後心電図follow up中P軸の左軸化を43例(24.9%)に認め,そのうち冠静脈洞調律への移行が22例(12.7%)にみられた.大静脈へのターニケットを使用する心房中隔欠損症修復では,これによる洞結節の障害により術後冠静脈洞調律を生じるものと考えられた.
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公益財団法人 日本心臓財団 | 論文
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