症例 心血管系の異常を経時的に観察したMarfan症候群の1例
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概要
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Marfan症候群における大動脈瘤,大動脈弁閉鎖不全は,直接死因となりうる重篤な合併症である.しかしその自然経過に関しての報告は少なく,長期にわたった経時的変化の報告は見当たらない.今回われわれは典型的なMarfan症候群の1例について,心合併症すなわち大動脈起始部拡大と大動脈弁閉鎖不全,僧帽弁閉鎖不全の経時的変化を5年間にわたり,胸部X線写真,心エコー図によって観察した.<BR>この間心胸比は50%から60%に増加し,心エコー図では大動脈径は4.5cmから5.4cmに拡大した.左室拡張・収縮末期径はそれぞれ6.0cm,4.2cmから7.5cm,6.4cmへと増加し,特に最近1-2年の増加が著しいため,手術適応と考え心血管造影を施行した.その結果,大動脈基部の動脈瘤・およびIII度の大動脈弁逆流を認めた.近年このような症例に対して,積極的な外科的修復を勧める者も多く,心エコー図による経過観察が,症例の把握に有用と考えられた.
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