臨床 急性心筋梗塞症における血行動態とニトログリセリン静注法による血管拡張剤療法(第2報):心室中隔穿孔合併例について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
心室中隔穿孔を合併した急性心筋梗塞5例において臨床所見,特に心電図と壷行動態とを比較検討した結果,完全右脚ブロックと左軸偏位を呈した群は1回心仕事係数が20g・M/beat/m<SUP>2</SUP>以下を呈し,予後は不良であった.<BR>左→右短絡量は生存群では治療により減少したが,死亡群では治療にもかかわらず増加する傾向を示した.急性期の治療として静注用Nitroglycerin(TNG)またはDopamineとの併用による血管拡張剤療法を施行し,その有用性を検討した.両治療法により左室充満圧,肺血管・末梢血管抵抗は著明に低下,心係数と1回心仕事係数は増加し,静注用TNGは左→右短絡量を減少し得た.<BR>以上の成績より,本症は両室のポンプ失調,肺高血圧症などを呈し,予後不良であるが,血管拡張剤療法は前,後負荷の軽減,左→右短絡量の減少とともに心機能の改善などをもたらし,有用であった.
- 公益財団法人 日本心臓財団の論文
公益財団法人 日本心臓財団 | 論文
- 臨床 発作性上室性頻拍症の自然停止様式
- 症例 急性心筋梗塞を合併した大動脈炎症候群の1剖検例
- 臨床 さまざまな疾患に出現する臥位性期外収縮の分析
- 第46回循環器負荷研究会 特発性心室頻拍の高周波カテーテルアブレーション前後での運動負荷試験に対する反応:電気生理学的検査(心室プログラム刺激)との比較検討
- 症例 2種類の心房周期をもつ慢性心房頻拍の1例