研究 特發性心筋症における冠静脈洞ならびに動脈血漿ノルエピネフリン濃度
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概要
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特発性心筋症における交感神経機能の有する役割を明らかにするため,非閉塞性肥大型心筋症5例,うっ血型6例の心カテーテル検査時,冠静脈洞,動脈から同時採血,血漿ノルェピネフリン(NE)濃度を測定,機能性心雑音7例の成績と対比した.血漿NE濃度は三浦らのTHI法にて測定した.肥大型では対照に比し冠静脈洞NE,動脈NE共低値,心筋遊離NEを反映すると考えられる冠静脈一動脈NE濃度較差(dNE)も対照に比し低かった.また冠静脈洞血流量とnNEより算定した心筋1009あたりの冠静脈洞へのNEoverflowも低値で,一部で想定されている肥大型でのカテコラミン異常分泌説とは一致しない成績であった.一方,うっ血型では冠静脈洞NEは対照とほぼ同値,動脈NEは高値,ANE,NEoverflowは著減していた.したがってうっ血型での交感神経活動は全身的には充進,心臓においては低下し,心不全時にみられる非特異的パターンを示すと考えられた.
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公益財団法人 日本心臓財団 | 論文
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