症例 心室細動を頻発し死亡した二次孔心房中隔欠損兼僧帽弁閉鎖不全症の1剖検例:心房ペーシングによる心室性不整脈の治療効果
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概要
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最近,われわれは,二次孔心房中隔欠損症(二次孔 ASD)に,軽度のリウマチ性僧帽弁閉鎖不全症(MI)を合併した47歳の女性で,うっ血性心不全の発症以来,心室性不整脈を主徴とし,心室細動を繰り返えし,約50日間の短い縄愚で死亡した1剖検例を経験した.二次孔 ASD+MI,ASD とも,心不全の出現する夫期に上室性不整脈を合併することは多いが,著明な心室性不整脈の合併は少ない.本例では,それが主徴をなし,あらゆる抗不整脈削による治療に抵抗し,不整脈死に至る特殊な経過をたどった.この不整脈の原因に関する考察を行なった.本例の心室性頻拍性不整脈に対し,抗不整脈剤は無効であり,一方, atropine による洞頻脈の誘発が心室性期外収縮を抑制したので,約90時間にわたり心房ペーシングを行ない,心室性不整脈の抑制を認めたが,徐々に効果は減退し,心室細動を繰り返えして死亡した.薬物治療で効果を見ない不整脈例では,ペーシソグによる治療を検討すべきである.
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公益財団法人 日本心臓財団 | 論文
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