HEART's Original [臨床研究] 臨床研究当院における多列検出器CTを用いた冠動脈CTによる冠動脈スクリーニングの現状
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概要
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目的:心臓カテーテル検査設備のない当院は,冠動脈CT(CT coronary angiography;CTCA)による冠動脈評価を行っている.今回その現状を報告し,冠動脈スクリーニングにおけるCTCAの役割について考察した.<BR>対象と方法:対象は,2004年6月15日-2006年5月25日までに16列と64列の多列検出器CTを用いて行われたCTCA230例(男性117例,女性113例,平均年齢67歳).冠動脈セグメント毎に狭窄病変やプラークの評価を行い,主要冠動脈のすべてのセグメントで評価が可能であった症例を患者診断可能例として,CTCAの患者診断率を患者背景毎およびCTの機種間(16列CT:73例,64列CT:157例)の比較で検討した.高度狭窄が疑われて他施設で冠動脈造影が行われた32例に対し,CTCAの冠動脈有意狭窄病変の診断能を検討した.結果:患者背景毎の患者診断率は,非典型胸痛例が90.5%ともっとも高率であった.16列CT,64列CTの患者診断率はそれぞれ69.9,87.9%で,64列CTが有意に高率であった.有意狭窄病変におけるCTCAの感度,特異度,陽性的中率,陰性的中率,正診率はそれぞれ65.8,93.5,66.7,93.3,89.0%であった.<BR>結語:冠動脈疾患が疑われる非典型胸痛患者のスクリーニングにおいて,GTCAは冠動脈疾患の除外診断に有用である.また,とくに64列CTにおいて有用性が高い.
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公益財団法人 日本心臓財団 | 論文
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