色素血管母斑症に合併した内頚動脈錐体部巨大動脈瘤の1例
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概要
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【目的】色素血管母斑症を合併した錐体部内頚動脈巨大動脈瘤に対して親動脈を遮断して治療した.巨大脳動脈瘤と色素血管母斑症の関連性ついて考察する.【症例】24歳,男性.頭痛,左外転神経麻痺で発症した.全身左側に単純性血管腫および色素性母斑を認め色素血管母斑症と診断された.左内頚動脈(internal carotid artery;ICA)錐体部に巨大血栓化動脈瘤を認めコイル塞栓術にてICAを遮断して治療した.【結論】色素血管母斑症は皮膚単純性血管腫と色素性母斑が合併する稀な症候群である.本症と巨大脳動脈瘤の関連性は明らかではなく,脳血管異常を合併するKlippel-Trenauny症候群など特定の神経皮膚症候群の診断に至らなかったが,今後典型的な徴候が出現する可能性もある.瘤は血管壁の脆弱性によって生じた可能性が否定できず,親血管閉鎖後の血行動態の変化で他部位に新たな瘤が発生する危険性があり長期の経過観察を行う方針である.
- 特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会の論文
著者
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三木 一徳
東京医科歯科大学 脳神経機能病態学
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吉野 義一
東京医科歯科大学 脳神経外科
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根本 繁
東京医科歯科大学 血管内治療科
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芳村 雅隆
土浦協同病院 脳神経外科
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山本 信二
土浦協同病院 脳神経外科
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壽美田 一貴
土浦協同病院 脳神経外科
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吉野 義一
東京医科歯科大学 血管内治療科
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三木 一徳
東京医科歯科大学 血管内治療科
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