高度な心臓交感神経機能障害が認められたウェルニッケ脳症の1例
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概要
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症例は, 四肢脱力および意識障害を主訴とした64歳, 男性. 頭部MRIでは脳幹部に高信号が認められた. アルコール多飲歴がありチアミンが低値であったことより, ウェルニッケ脳症と診断された. 不整脈が頻発し, 脚気心およびアルコール性心筋症が示唆されたため99mTc-tetrofosmin心筋シンチグラムおよび123I-MIBG心筋シンチグラムを施行した. 99mTc-tetrofosmin心筋シンチグラムでは集積低下は認められなかったが, 123I-MIBG心筋シンチグラムでは高度集積低下, 心縦隔比の低下, 洗い出し率の亢進が認められた. 心臓カテーテル検査を施行したが, 冠動脈造影では狭窄病変は認められず, 左室造影では壁運動は正常であった. 右心カテーテル検査でも肺動脈圧や心拍出量などは正常で心不全の所見は認められなかった. これらの結果より脚気心およびアルコール性心筋症は否定された. チアミンの投与により神経学的所見や頭部MRIの異常所見は改善し, 不整脈や123I-MIBG心筋シンチグラムの所見も改善した. 本症例の心臓交感神経障害の原因としてウェルニッケ脳症による自律神経障害の可能性が示唆された.
著者
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長尾 強志
犬山中央病院循環器センター
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井出 雄一郎
犬山中央病院循環器センター
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坪井 宏樹
犬山中央病院循環器センター
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伊藤 一貴
犬山中央病院循環器センター
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増田 達郎
犬山中央病院循環器センター
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