急性心筋梗塞発症後早期に心筋浸潤非ホジキンリンパ腫を診断し, 化学療法で寛解が得られた1例
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概要
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症例は85歳, 男性. 5日前から胸部圧迫感および呼吸困難を自覚し, 全身倦怠感が増悪したため当院を救急受診した. 心電図でI, aVL誘導で異常Q波を認め, 心筋逸脱酵素の上昇や心臓超音波検査で側壁の無収縮が認められたため心筋梗塞と診断し, 冠動脈造影を施行した. 左回旋枝に血管内超音波で低エコー領域を伴う動脈硬化病変が認められたため, 経皮的冠動脈形成術を施行した. 第2病日に施行した心臓超音波検査では心液貯留および左房周囲の腫瘤が認められ心臓腫瘍の合併が疑われた. PET-CTで心臓以外に縦隔など多数の集積が認められ, 胃小弯側リンパ節生検によりB細胞性悪性リンパ腫と診断された. 高齢者で心筋梗塞直後の低左心機能であったが, THP-COP[ピラルビシン(pirarubicin), シクロホスファミド(cyclophosphamide), ビンクリスチン(vincristin), プレドニゾロン(prednisone)]およびリツキシマブ(rituximab)を併用した化学療法により寛解が得られた症例を経験したので報告する.
著者
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長尾 強志
犬山中央病院循環器センター
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井出 雄一郎
犬山中央病院循環器センター
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坪井 宏樹
犬山中央病院循環器センター
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伊藤 一貴
犬山中央病院循環器センター
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鶴山 幸喜
犬山中央病院循環器センター
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柚ノ原 順正
犬山中央病院循環器センター
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