左室中部および右室心尖部に無収縮が認められたたこつぼ心筋障害の1例
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概要
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症例は突然の胸痛を主訴とした70歳代の男性で, 心電図ではV1~4誘導でST部分の上昇, 断層心エコー検査では左室および右室の壁運動異常, 胸部CTでは右肺の緊張性気胸が認められた. 胸腔ドレナージ後の冠動脈造影では有意な狭窄病変はなく, 左室造影では心室中部, 右室造影では心尖部が無収縮であった. このため, 緊張性気胸による痛みを契機として, たこつぼ心筋障害を発症したと考えられた. 約4週後の心臓超音波検査では両心室の壁運動異常は改善した. 本症例は左室中部および右室心尖部の一過性壁運動障害を呈しており, このような特異な壁運動異常が認められた症例の報告はなく, 非常に稀な病態と考えられたため報告する.
著者
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長尾 強志
犬山中央病院循環器センター
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井出 雄一郎
犬山中央病院循環器センター
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坪井 宏樹
犬山中央病院循環器センター
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伊藤 一貴
犬山中央病院循環器センター
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鶴山 幸喜
犬山中央病院循環器センター
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