P5-05 TNF阻害薬無効例に対するトシリズマブの有用性の検討(中間報告)
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概要
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【目的】生物学的製剤治療の初期治療無効例に対する薬剤変更は明らかな見解が得られていない.今回我々はTNF阻害薬無効例に対しトシリズマブ(TCZ)を使用し,その有用性,安全性を前向きに検討した.【対象】1987年ACRの分類基準を満たしたRA患者で既存のTNF阻害薬を3か月以上投与しても効果がDAS28-ESR(4)が3.2以上の中疾患活動性を示す患者で,本研究の対し同意が文章で得られた患者を対象とした.【方法】TCZ 8 mg/kg/月の点滴を行い24週後の腫脹,圧痛関節,炎症反応,DAS28,SDAI,CDAI等の活動性指標,mHAQ等を検討した.(結果)症例は11例(男性1例,女性10例)で,平均罹病期間7.4年,投与直前のDAS28-ESR(4)は5.39と高疾患活動性を示した.【成績】腫脹,圧痛関節共にTCZ投与後24週で有意に低下し,DAS28-ESR(4)も有意に低下した.しかし,mHAQやMMP-3は統計学的に有意差はなかった.現状ではTNFαモノクローナル抗体と可溶性TNFα受容体間の差は認めなかった.有害事象は2例肺炎を合併したが,いずれも投薬一時休止後抗菌薬投与で軽快した.【考察】TNF阻害薬無効例に対するTCZへの変更は有用である事が示唆されたが,TNF阻害薬の種類の相違による有効性の相違ははっきりせずさらなる症例の蓄積と検討が必要であると思われた.
- 日本臨床免疫学会の論文
著者
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北村 登
日本大学医学部内科学系血液膠原病内科分野
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白岩 秀隆
日本大学医学部内科学系血液膠原病内科分野
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猪股 弘武
日本大学医学部内科学系血液膠原病内科分野
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松川 吉博
日本大学医学部付属板橋病院第一内科
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長澤 洋介
日本大学医学部6年生エレクティブコース
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武井 正美
日本大学医学部内科学系血液膠原病内科分野
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井汲 菜摘
日本大学医学部内科学系血液膠原病内科分野
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野崎 高正
日本大学医学部 内科学系 血液膠原病内科分野
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杉山 海太
日本大学医学部 内科学系 血液膠原病内科分野
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白岩 秀隆
日本大学医学部 内科学系 血液膠原病内科分野
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武井 正美
日本大学医学部 内科学系 血液膠原病内科分野
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北村 登
日本大学医学部 内科学系 血液膠原病内科分野
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松川 吉博
日本大学医学部 内科学系 血液膠原病内科分野
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井汲 菜摘
日本大学医学部 内科学系 血液膠原病内科分野
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