注意の定位機能とマインドフルネス傾向の関連:—注意の喚起機能による調整効果
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
マインドフルネスとは,"今ここでの経験に,評価や判断を加えることなく,能動的に注意を向けること"として定義される自己の体験に対する特殊な注意の向け方である。マインドフルネスの個人差を規定する要因として,注意機能の関連が指摘されている。しかし,注意機能のどの側面が,どのような交互作用でマインドフルネスに関連するのかについては,これまで明らかにされていない。本研究では,大学生を対象にAttention Network Test(Fan et al., 2002)とマインドフルネス傾向(Baer et al., 2006)を測定した。階層的重回帰分析の結果,注意の喚起機能が低い時には,注意の定位機能はマインドフルネスと正の関連を示す一方で,喚起機能が高い場合には,定位機能はマインドフルネスと負の関連を示した。これらの結果は,マインドフルネスの個人差の規定因として,注意機能を交互作用から捉える必要性を示唆する。
- 日本パーソナリティ心理学会の論文
著者
関連論文
- 大学の授業での批判的思考力育成の支援の試みと課題(自主シンポジウムD6)
- マインドフルネスにみる情動制御と心理的治療の研究の新しい方向性
- パーソナリティ研究における説明水準 (9 パーソナリティ心理学に認知科学の知見は組み入れられるか : 両者の相性はなぜ悪いのか?)
- 注意制御,マインドフルネス,脱中心化が心配へ及ぼす影響
- 注意の定位機能とマインドフルネス傾向の関連:—注意の喚起機能による調整効果
- Anxiety Control Questionnaire日本語版の開発
- P1-70 不確実さ不耐性の潜在構造 : 分類分析・因子混合モデリングによる検討(一般演題(ポスター),テーマ:認知行動療法の「今」,日本行動療法学会第38回大会)
- P2-38 主観的な報酬知覚に対する日常での行動活性化レベルとマインドフルネス傾向の影響(一般演題(ポスター),テーマ:認知行動療法の「今」)
- P1-62 Anxiety Control Questionnaire日本語版の開発(一般演題(ポスター),現在から未来へ 我が国における認知行動療法の展開)
- P2-34 筆記による開示が心理的健康に及ぼす効果についての検討 : 心配性について(ポスター発表II,教育・福祉・健康分野への進展)
- P2-39 情動調整能力が対人不安と認知の歪みに及ぼす影響(一般演題(ポスター発表),切れる最新の理論と途切れない地道な実践)