長期的地下水シミュレーションのための黄河流域の地質学的モデル
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概要
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黄河流域の全集水域における長期的地下水流動をシミュレートする目的で,水理地質学的モデルを構築した.このモデルは脆性-塑性境界によって定義される不透水性基盤,上部地殻の浸透率の深度依存性の定式化,主要断層分布,および第四系の等層厚線図を含む.黄河流域は次の5つの階段状標高分布域に特徴づけられる.すなわち,チベット高原,チベット高原北東斜面,オルドス高原北西部,オルドス高原南東斜面,および華北盆地である.その構造はテクトニクス,とくに剛体的なオルドスマイクロプレートのテクトニクスに支配されている.適切な浸透率と局地的な地下水消費を仮定すれば,シミュレーションの結果は1960年代以降の地下水位の劇的な低下の記録とよく対応し,過剰な地下水消費がこの低下の主要な要因であることを示している.このモデルは黄河流域における地下水の将来の枯渇を予測することに使えるだろう.
著者
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石井 武政
AIST, Geological Survey of Japan, Institute for Geo-Resources and Environment
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森 康二
Geosphere Environmental Technology Corp.
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玉生 志郎
AIST, Geological Survey of Japan, Geological Museum
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内田 洋平
AIST, Geological Survey of Japan, Institute for Geo-Resources and Environment
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村岡 洋文
AIST, Geological Survey of Japan, Institute for Geo-Resources and Environment
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