中国黄河流域圏における水資源管理のための大規模地下水流動モデリングと 高性能数値シミュレーション
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概要
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黄河源流から河口に及ぶ2,200 km×1,100 km(約160万 km2)の領域について,地下水資源量評価のための三次元地下水循環モデルを構築した.構築モデルによる過去20年間の流況再現シミュレーションの結果は,多数の水位観測データや既存の文献データなどとの比較を通じて検証された.地下水資源量評価のための将来20年の流況予測は,中国側より提示された2010年及び2020年の水需要予測値をベースに幾つかのシナリオに対して実施した. その結果,河北省の被圧水位低下によって引き起こされる地盤沈下量は最大4.0 mに達すると推定された.1980年当時の被圧地下水状態へ回復させ,地盤沈下の進行を抑制することを考えた場合,直ちに揚水規制を行ったとして年間10.5億 m3,現状を放置し20年後になると年間21.4億 m3 以上の地下水資源を他の代替水源に頼らなければならない事態が予測される.この量はその年の地下水総利用量に対して,それぞれ6.4%,9.8%に相当するものである.
著者
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多田 和広
Geosphere Environmental Technology Corp.
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森 康二
Geosphere Environmental Technology Corp.
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西岡 哲
Geosphere Environmental Technology Corp.