ウサギの自己由来水晶体可溶性蛋白で誘発されたぶどう膜炎モデルにおける網膜電図
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概要
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水晶体起因性ぶどう膜炎(LIU)における網膜機能の影響を調べるために、われわれは日本白色種ウサギ(Jla:JW)を用いて網膜電図(ERG)を調べた。実験的LIUモデルの作出方法は以下のとおりである。すなわち、右眼の水晶体を水晶体嚢外摘出法にて摘出し、水晶体可溶性蛋白を調製した。水晶体摘出後10日に水晶体可溶性蛋白(10mg)をフロイント完全アジュバンドと共に免疫感作し、さらにその2週後にろ過滅菌した水晶体可溶性蛋白800μgを左眼の前房内に注入した(LIU group)。対照群には滅菌生理食塩水を前房内注入した動物を用いた(Control)。その結果、水晶体可溶性蛋白の前房注入後7日におけるLIU groupの虹彩は、Controlに比べ有意に充血肥厚した(P<0.05またはP<0.01)。しかし、注入後7日における房水蛋白濃度には両群間に違いはなかった。また、すべての個体で産生された抗体は抗α-クリスタリン抗体で、また水晶体蛋白の抗体価には群間の違いがなかった。LIU groupと対照群のERG各成分の比較(a波、b波の頂点潜時、振幅)において、違いがみられなかった。
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