外傷により発生したと思われる僧帽弁閉鎖不全の1例
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概要
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交通事故により発症したと思われる外傷性僧帽弁閉鎖不全に対し, 慢性期に僧帽弁弁輪形成と弁形成術を行った1例を経験したので報告する. 症例は33歳, 男性. 12年前に交通事故(自動車同士)で, 全身を強打した. 受傷の際, 腸管損傷を生じ, 開腹手術を受けた. 受傷後3年目(10年前)より動悸が出現するようになり, 近医にて不整脈, 心雑音を指摘され, 心臓超音波検査で僧帽弁閉鎖不全Ⅱ度と診断された. その後2年間は逆流はII度強へ徐々に増強していたが, 症状は落ち着いていた. 5年前から心臓超音波検査で僧帽弁逆流がIV度に増悪し, 1年前からは階段の昇降時にも軽い息切れが出現するようになり, 手術を勧められた. 術前の心臓超音波検査では, 前尖から後交連にかけての弁の逸脱を認めた. 術中所見では前尖のA3の腱索の延長と腱索一部に断裂が認められた. 人工腱索, 人工弁輪縫着, edge to edge修復術により逆流は消失した. 術後経過は順調で第10病日に軽快退院の運びとなった.
- Japan Heart Foundationの論文
著者
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菊地 慶太
順天堂大学医学部心臓血管外科
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山崎 元成
順天堂大学 胸部外科
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丹原 圭一
順天堂大学心臓血管外科
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鶴田 亮
順天堂大学心臓血管外科
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天野 篤
順天堂大学 循環器内科
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山本 平
順天堂大学 胸部外科
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稲葉 博隆
順天堂大学 心臓血管外科
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天野 篤
順天堂大学医学部心臓血管外科学講座
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山本 平
順天堂大学医学部心臓血管外科学講座
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鶴田 亮
順天堂大学医学部心臓血管外科学講座
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丹原 圭一
順天堂大学医学部心臓血管外科学講座
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