当院における局所麻酔下胸腔鏡56例の検討
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概要
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当院で施行した局所麻酔下胸腔鏡56例について,術前PSと術前・術後の合併症を含めて臨床的検討を行った.局所麻酔下胸腔鏡施行の理由は,組織学的検査やフローサイトメーターのための生検などの検査が34例,膿胸掻爬術が20例,肺瘻閉鎖術が2例であった.術前PSではPS 2以上が24症例(43%)であり,その原因としては急性膿胸が10例(42%)と最も多かった.疾患別では,膿胸が全体の7割近くを占めた.胸腔鏡検査としての確定診断率は90%であった.術後合併症としては気胸が1例(1.7%)でみられた.局所麻酔下胸腔鏡は内科的加療が必要と思われる胸膜疾患の診断のための検査として有用であり,さらに外科的治療が必要な膿胸や気胸で高度にPS不良な症例にも行える治療手段である.
著者
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長 博之
国立病院機構岐阜病院 外科
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大政 貢
Department of Thoracic Surgery, Kitano Hospital
-
上田 雄一郎
Department of Thoracic Surgery, Kitano Hospital
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岡部 亮
Department of Thoracic Surgery, Kitano Hospital
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徳野 純子
Department of Thoracic Surgery, Kitano Hospital
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長 博之
Department of Thoracic Surgery, Kitano Hospital
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庄司 剛
Department of Thoracic Surgery, Kitano Hospital
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黄 政龍
Department of Thoracic Surgery, Kitano Hospital
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