PVC-ゾーノトライト混合系における動力学的性質
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概要
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PVC-ゾーノトライト (6CaO・6SiO<SUB>2</SUB>・H<SUB>2</SUB>O) 混合系について動的粘弾性 (貯蔵弾性率, 損失弾性率, tanδ) を110Hzの振動周波数を用いて室温から150℃まで測定した.貯蔵弾性率Eはゾーノトライト充てん率の増大とともに増大するが, Eの増大効果はガラス状域よりもゴム状域において著しい.転移の大きさ (Eにおけるガラス状域とゴム状域の差) をDとすると, 未充てん試料に対する相対比D/D0の体積充てん率に対するプロットはマトリックスと粒子が界面で完全に接着しているとした時の理論曲線より下方にずれ, かつ転移の鋭さも減少する.一方, 損失弾性率Eにおいて損失ピークが充てん率とともに高温側にシフトし, シフト量と体積充てん率の間に指数関数的な関係が見られる.またこのシフト量とゾーノトライトの比表面積から粒子界面近傍での不動層の厚みは約80Aと推定された.なおtanδ はゾーノトライトの充てんにより著しく減少する.これらの結果からPVCとゾーノトライトの間にはかなり強い相互作用が存在すること, かつゾーノトライト自身振動をよく吸収するような特異な粒子構造としてマトリックス中に分散していることが推測された
- 一般社団法人 日本ゴム協会の論文
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