ポリアクリルアミド-炭酸カルシウム系複合材料の合成とその機械的性質
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概要
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高分子マトリックス中で無機結晶を成長させることにより, 貝殻のような板状の結晶性無機物を主体とする有機-無機複合体を合成した.すなわち, CaOを水和して得られたCa (OH) <SUB>2</SUB>をポリアクリルアミド (PAAm) 水溶液と混合し加温すると, PAAm分子間に架橋反応が進行し次第に粘度が上昇する.この時, PAAm/Ca (OH) <SUB>2</SUB>比を約10重量%にして反応を行うと, Ca (OH) <SUB>2</SUB>は比較的大きな六角板状結晶 (3~4μ) に生育する.この状態で含水率約50%まで脱水成形して得られた板状の成形体をオートクレープに入れ, 炭酸ガスを圧入して炭酸化を行い見掛比重約1.7程度のPAAm-CaCO<SUB>3</SUB> (一部Ca (OH) <SUB>2</SUB>) 系複合体を作製した.<BR>板状の結晶が最もよく発達するPAAm/Ca (OH) <SUB>2</SUB>比が10重量%の場合, 炭酸化養生時間72時間で炭酸化率は成形体全体で平均60%(成形体内部で68%) であったが, SEM写真からCa (OH) <SUB>2</SUB>の結晶がくずれずに同じく板状 (ただし四角) のCaCO<SUB>3</SUB> (カルサイト) へ移行することが見られた.複合体の強度もPAAm/Ca (OH) <SUB>2</SUB>比が10重量%の時に最も高く, 700kg/cm<SUP>2</SUP>の曲げ強さを示した.
- 一般社団法人 日本ゴム協会の論文
著者
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相馬 勲
Government Industrial Research Institute
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高橋 大
Government Industrial Research Institute
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山口 宗明
Government Industrial Research Institute
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田中 裕子
Government Industrial Research Institute
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