ドーソナイト及びヒドロタルサイトの塩化ビ=ル樹脂への充てん効果
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概要
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アルミニウムとナトリウムあるいはマグネシウムの含水塩基性炭酸塩であるドーソナイト (水酸化アルミニウム-炭酸ソーダ系の合成化合物を使用) あるいはヒドロタルサイト (水酸化アルミニウムー炭酸マグネシウム系の合成化合物を使用) の塩化ビ二ル樹脂 (以下PVCと略す) に対する難燃化性及び熱分解時の塩化水素捕捉性を調べた.これら合成ドーソナイトあるいはヒドロタルサイトをそれぞれ5~100phrPVCに混練り配合し, 酸素指数を測定した結果, 水酸化アルミニウムなどの場合に匹敵する優れた難燃性を示した.一方, 熱分解時に発生する塩化水素の定量からこれらの化合物は際だった塩化水素捕捉能を有することがわかった.しかし, 加工時にPVCを着色せしめるので, 実用化には着色防止に関して何らかの対策を必要とする.本実験ではひとつの試みとして充てん剤をあらかじめワックス処理してPVCと混練りする方法をとってみたが, 着色防止に関しては効果は見られなかった.そこで, 強酸根を充てん剤に導入してPVCとの反応を抑えることを考え, ひとまずヒドロタルサイトに酸処理を施してPVCに配合した結果, 40phr以上では完全に着色を防止することはできなかったが, かなり効果が見られた.ただし, 酸素指数値は若干低下した.
- 一般社団法人 日本ゴム協会の論文
著者
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相馬 勲
Government Industrial Research Institute
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若野 寛睦
Government Industrial Research Institute
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高橋 大
Government Industrial Research Institute
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