廃棄タイヤ粉末の新しい化学的可塑化方法
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概要
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各種試薬を用いて, 空気中の酸素を利用した化学反応による加硫ゴムの可塑化を試みた.実験の結果最も効果的な試薬は塩化第一鉄- フェニルヒドラジン系であることが判明した.それぞれを単独に用いると効果は非常に乏しい.この併用系を用いると天然ゴムを主体とする廃棄タイヤ粉末ゴムが常圧, 室温~120℃ で数時間処理することによって著しく可塑化され, 処理粉末ゴムは容易にロールに巻付き良好な加工性を示すことが分かった.このようにして得られた可塑化ゴムに硫黄と加硫促進剤を配合し, 140℃ でプレス加硫することによって再び加硫ゴムにすることが可能である.これらの加硫ゴムの引張強さは約60 kg/cm<SUP>2</SUP>, 伸び約300%であるが, 適当な改質剤を用いることによって引張強さは約100kg/cm<SUP>2</SUP>に達し, 通常の方法による市販再生ゴムの引張強さを上回る.塩化第一鉄の使用は加硫ゴムの耐熱老化性に悪影響を与えるとの懸念があったが, 本簡易再生方法による再生ゴム加硫物は市販のそれよりも若干良好な耐熱老化性を示すことが分かった.本方法の加硫ゴム再生方法によると, 従来から再生が困難とされていたSBRを主体とする乗用車廃棄タイヤの再生も容易に遂行できることが判明した.
- 一般社団法人 日本ゴム協会の論文
著者
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山下 晋三
Department of Chemistry, Kyoto Institute of Technology
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藤井 敏寛
Reclaim Division, Hayakawa Rubber Co.
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川端 成彬
Department of Chemistry, Kyoto Institute of Technology
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森 其三男
Reclaim Division, Hayakawa Rubber Co.
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