経橈骨動脈アプローチによる頚動脈ステント留置術
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概要
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【目的】経橈骨動脈アプローチ(transradial approach)による頚動脈ステント留置術(carotid artery stenting; CAS)(TR-CAS)の有効性・安全性を明らかにする.【対象・方法】2005年4月~2011年9月のCAS 157例180病変のうちTR-CAS連続6例を対象に,手技成功率/合併症/問題点を後方視的に検討した.TR-CASは4Frシースを右橈骨動脈に留置し攣縮予防薬を動注,6Frガイディングシース(guiding sheath;GS)に交換,患側総頚動脈に誘導し施行した.【結果】TR-CAS選択の要因は,bovine arch(BA)が2例,大動脈/両側大腿動脈病変が4例であった.GS留置はBA例では容易であったが他4例は硬いガイドワイヤーを要した.5例(83%)で手技成功したが,1例で経大腿動脈アプローチへの変更を必要とした.本例は術中脳梗塞を生じ,一時的な症状悪化を来したがその後回復した.周術期合併症はこの1例であった.穿刺部合併症はなかった.【結論】経大腿動脈アプローチ困難例ではTR-CASが代替となり得る.
著者
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早川 幹人
虎の門病院 神経内科
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鶴田 和太郎
虎の門病院脳神経血管内治療科
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松丸 祐司
虎の門病院 脳神経血管内治療科
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神谷 雄己
昭和大学藤が丘病院 脳神経内科
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滝川 知司
獨協医科大学越谷病院 脳神経外科
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早川 幹人
虎の門病院 脳神経血管内治療科
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鶴田 和太郎
虎の門病院 脳神経血管内治療科
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