症候性頭蓋内動脈狭窄に対するステント留置術
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概要
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【目的】頭蓋内動脈狭窄に対するステント留置術の有効性を検討する.【方法】ステント留置術を行った症候性頭蓋内動脈狭窄14例について,術後ADL自立(mRS0-2)患者比率,脳梗塞再発率,再狭窄発生率,合併症発生率を後ろ向きに検討した.【結果】全例男性.平均年齢70.1歳.狭窄部位は,内頸動脈(ICA)7例,椎骨脳底動脈7例.術前平均狭窄率(WASID法) 82.6±10.0(meanSD)%.治療時期は,慢性期11例,急性期3例.使用ステントは全例冠動脈用ステント.ICA狭窄全7例でproximal protectionを行った.Proximal protection非施行の3例に術後無症候性脳梗塞の増加を認めた.慢性期治療群は全例術後ADL自立.急性期治療群は,1例が肺炎で死亡,1例が非治療血管領域脳梗塞発症,1例が術後mRS3であった.DSAで経過観察した10例に再狭窄なし(平均観察期間:9.5ヵ月).治療血管領域の脳梗塞再発なし(平均観察期間:10.8ヵ月).【結論】頭蓋内ステント留置術は,慢性期症例において有用であった.Proximal protectionの有用性が示唆された.
- 特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会の論文
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