人間ドック受診教職員の喫煙状況と加濃式社会的ニコチン依存度の変化 -学校敷地内禁煙との関連の検討-

概要

論文の詳細を見る
目的：学校教育における禁煙推進・禁煙支援に役立てることを目的として，学校敷地内禁煙が広がりつつある時期における教職員の喫煙状況と喫煙への意識の変化について質問票調査を行った．方法：2005年度から3年間に人間ドックを受診した教職員に，加濃式社会的ニコチン依存度調査票（Kano Test for Social Nicotine Dependence ; 以下KTSND，30点満点）を含む質問票調査を行った．なお，2006年度のみ職場の喫煙規制状況と喫煙防止授業担当経験の有無についても確認した．結果：3年間の経過で喫煙率は，男性では31.3％，34.8%，26.6％と3年目が最も低値であったが，女性では8.6%，10.5%，10.5％と2，3年目が高値であった．3年間のKTSND値は，男性喫煙者でそれぞれ17.9±4.6，17.2±4.9，16.8±4.9と3年目が低値であったのに対し，女性喫煙者では14.3±3.0，12.9±2.8，15.0±2.8と3年目が高値であった．学校内喫煙規制別では，男性非喫煙者のKTSND値は，建物内分煙（14.2±5.7）の群が，敷地内禁煙（10.8±6.7）や建物内禁煙（9.9±5.3）の群に比べて有意に高値を示し（p=0.012），喫煙を容認する意識が高かったが，喫煙者と前喫煙者では差がみられなかった．喫煙防止授業担当経験別のKTSND値は，経験がある群と経験がない群でそれぞれ男性の喫煙者15.3±5.3，17.6±4.7（p=0.034）および前喫煙者12.2±14.7，14.7±5.7（p=0.009）で有意に低値を示し，経験があると喫煙を容認しない傾向を示した．結論：学校敷地内禁煙化の実施と喫煙防止授業を担当することは，教職員の喫煙に対する意識に影響を及ぼすことが示唆された．

人間ドック受診教職員の喫煙状況と加濃式社会的ニコチン依存度の変化 -学校敷地内禁煙との関連の検討-

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク