安全性に関する情報の提供が安心感の変化に与える影響
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概要
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科学技術に対する社会的受容の向上は,その技術を社会システムの中に適応させるための重要なステップであり,そのためには,安心感の醸成が必要不可欠であろう.さまざまな産業において,技術の安全性に関する情報提供の実践活動は数多く行われているものの,その方略の是非,効果等について実証的に検証した研究は少ない.本研究では,原子力発電所に関する安全性情報の提供を模擬し,情報提供方略の違いが安心感に与える影響を検討した.安心感は,情報提供前,情報提供直後,情報提供1カ月半後の3回にわたって測定し,その変化を分析した.この結果,安心感は情報提供直後に急峻に向上するが,1カ月半後には最大で情報提供前のレベルまで低下することが明らかになった.また,安心感が三つのサブカテゴリから構成され,これらのサブカテゴリによって特性が異なることも明らかとなった.これらの結果は,情報提供者がどのような安心感の向上を目的とするかによって,その方略を変える必要性を示唆する.
著者
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大橋 智樹
宮城学院女子大学
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守川 伸一
(株)関西電力
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酒井 幸美
(株)原子力安全システム研究所社会システム研究所
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HAFSI Med
Faculty of Sociology, Nara University
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大橋 智樹
宮城学院女子大学心理行動科学科
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