ニラ圃場におけるネギアザミウマの発生消長とIris yellow spot virusによるニラえそ条斑病の発生動態
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概要
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ニラえそ条斑病の防除対策を確立するため,栃木県のニラ圃場におけるネギアザミウマの発生消長,IYSV媒介虫率および保毒虫率,ニラえそ条斑病発生状況を調査した.ネギアザミウマの発生消長は,6月中旬と8月中旬~9月上旬の2つのピークが認められ,6月中旬のピークの方が高かった.IYSV媒介虫率および保毒虫率は,同様に推移し,6月から顕著な増加が見られ,7月~10月にピークを持ち,12月~5月は低いレベルで推移した.一方,ニラえそ条斑病の発生は,ネギアザミウマが増加し,IYSV保毒虫率および媒介虫率が高まった後に確認された.本病の病斑は7月~10月の期間でのみ観察され,発病株の地上部を刈り取り後に再生した茎葉では認められなかった.また,ニラ育苗床において保毒虫が確認されたとともに,DAS-ELISAによって無病徴の葉からIYSVが検出され,感染が認められた.以上の結果から,栃木県のニラ栽培では,えそ条斑病の発生にはネギアザミウマの発生量と媒介虫率の上昇が大きく関与することが示唆され,本病の発生を抑制するためには,ネギアザミウマが増加する前の5月中旬までに防除を徹底することが重要であると考えられた.
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