当院における婦人科悪性腫瘍手術時の創閉鎖の工夫と検討

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概要　婦人科悪性腫瘍手術は手術時間の長期化や切開創の拡大を要することがあり，創部離開や創感染にしばしば悩まされる．術後には化学療法や放射線療法が必要である場合が多く，創傷治癒の遅延をきたせば治療開始時期を遅らせることになり，術後合併症を最小限にする工夫が求められる．われわれは2009年4月から2011年3月までに当科で行った婦人科悪性腫瘍開腹手術症例87例について皮下持続陰圧吸引ドレーンならびに真皮縫合法（以下，皮下ドレーン群；57例）を新たな創閉鎖法として用い，皮下縫合ならびにスキンステープラーを用いた従来法（以下，皮下縫合群；30例）と比較し，その有効性および安全性を後方視的に検討した．評価項目はsurgical site infection（SSI）発生率，創部離開率，術後化学療法開始時期とした．皮下ドレーン群のSSI発生率および創部離開率はそれぞれ3.5%，1.8%であったのに対し，従来法ではそれぞれ6.7%であり，皮下ドレーン群は創部合併症を減少しうる可能性を示した．術後補助療法は皮下ドレーン群では平均27日後に開始されており，治療の開始を延期させることはなかった．以上より，皮下持続陰圧吸引ドレーンならびに真皮縫合法は婦人科悪性腫瘍手術において有効性および安全性の高い創閉鎖法であると考えられた．〔産婦の進歩64 (2)：101-105，2012（平成24年5月）

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