肺癌と活動性肺抗酸菌症の混在する病態の検討
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概要
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〔自的〕肺癌と活動性肺抗酸菌症(activepulmonarymycobacteriosis:APM)が同一肺葉内で混在する病態についての検討を行った。〔対象と方法〕1991年から2003年の間に当院で入院治療を行った肺癌合併APM61例のうち,肪の同一肺葉内で両疾患が混在していた11例を臨床病理学的に解析した。〔結果〕11例の内訳は男性10例,女性1例,平均68歳であった。APMは肺結核症(pulmonarytuberculosis:TB)6例,肺非結核性抗酸菌症(pulmonarynontuberculousmycobacteriosis:NTM)5例に分けられ,NTMの内訳は<I>M.avium</I>症,<I>M.abseessus</I>症各2例,<I>M.kansasii</I>症1例であった。肺癌合併APMにおける混在の頻度はTBで13%(6/45例),NTMで31%(5/16例)であった。肺癌は扁平上皮癌が最も多く(6例),X線所見のレビューでは癌陰影は全例明瞭で,一方抗酸菌症陰影はlI例中3例で不明であった。7例(切除例5例,剖検例2例)の肉眼病理所見の解析から,混在のパターンは,typeA(同一肺葉内で離れて存在している肺癌とAPMがその先進部で接しているもの,4例)と,typeB(肺癌の内部もしくは辺縁部にAPMが存在するもの,3例)とに大別できた。抗酸菌症別にはNTMはtypeA3例,typeB1例で,既存肺の病的状態下での肺癌とAPMの混在が多く,TBはtypeA1例,typeB2例で,被包乾酪巣の壁が癌の浸潤で破壊され,再燃している像が特徴的であった。〔結論〕肺の同一肺葉に肺癌とAPMが混在することは時にみられるが,その様式は多彩である。臨床医は肺癌やAPMの診療においては,仮にX線像で明瞭でなくとも,両疾患の混在について十分な注意を払うべきである。
著者
-
永井 英明
独立行政法人国立病院機構東京病院呼吸器科
-
川辺 芳子
独立行政法人国立病院機構東京病院呼吸器科
-
小松 彦太郎
独立行政法人国立病院機構東京病院呼吸器外科
-
鈴木 純子
独立行政法人国立病院機構東京病院呼吸器科
-
町田 和子
独立行政法人国立病院機構東京病院呼吸器科
-
倉島 篤行
独立行政法人国立病院機構東京病院呼吸器科
-
相良 勇三
独立行政法人国立病院機構 東京病院 呼吸器内科・臨床検査科
-
蛇沢 晶
独立行政法人国立病院機構東京病院臨床検査科
-
蛇沢 晶
国立病院機構東京病院 呼吸器科
-
蛇沢 晶
国立病院機構東京病院
-
赤川 志のぶ
独立行政法人国立病院機構東京病院呼吸器内科
-
蛇沢 晶
独立行政法人国立病院機構東京病院 臨床検査科病理
-
益田 公彦
独立行政法人国立病院機構東京病院呼吸器内科
-
四元 秀毅
独立行政法人国立病院機構東京病院
-
田村 厚久
独立行政法人国立病院機構東京病院呼吸器疾患センター内科
-
長山 直弘
独立行政法人国立病院機構東京病院呼吸器疾患センター内科
-
益田 公彦
独立行政法人国立病院機構東京病院
-
益田 公彦
独立行政法人国立病院機構東京病院呼吸器
-
相良 勇三
独立行政法人国立病院機構東京病院呼吸器
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町田 和子
独立行政法人国立病院機構東京病院呼吸器
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倉島 篤行
独立行政法人国立病院機構東京病院呼吸器
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小松 彦太郎
独立行政法人国立病院機構東京病院呼吸器
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川辺 芳子
独立行政法人国立病院機構東京病院呼吸器
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赤川 志のぶ
独立行政法人国立病院機構東京病院呼吸器
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長山 直弘
独立行政法人国立病院機構東京病院呼吸器
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永井 英明
独立行政法人国立病院機構東京病院
-
永井 英明
独立行政法人国立病院機構東京病院呼吸器
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田村 厚久
独立行政法人国立病院機構東京病院
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田村 厚久
独立行政法人国立病院機構東京病院呼吸器
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鈴木 純子
独立行政法人国立病院機構東京病院呼吸器疾患センター
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四元 秀毅
独立行政法人国立病院機構東京病院呼吸器
-
赤川 志のぶ
独立行政法人国立病院機構東京病院
-
鈴木 純子
独立行政法人国立病院機構東京病院呼吸器
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