マウスの気管および肺ホモジネート上清液中の Streptococcus pneumoniaeおよびHaemophilus influenzaeの増殖に関与する因子について
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概要
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Haemophilus influenzaeおよびStreptococcus pneumoniaeの普通ブイヨン中の増殖に及ぼすマウスの気管および肺ホモジネート上清液の影響を検討し,次の結果を得た。H. influenzaeは気管ホモジネート上清液添加普通ブイヨンおよびX・V両因子添加普通ブイヨンで増殖を示し,一方,肺ホモジネート上清液添加普通ブイヨンおよびNADase (Nicotinamide adenine dinucleotide)処理によつてV因子を不活化した気管ホモジネート添加普通ブイヨンでは増殖しなかつた。S. pneumoniaeは肺ホモジネート上清液添加普通ブイヨンおよびV因子添加普通ブイヨンで増殖を示し,一方,気管ホモジネート上清液添加普通ブイヨン,X・V両因子添加普通ブイヨン,肺ホモジネート上清液とX因子を添加した普通ブイヨン,およびNADase処理肺ホモジネート上清液添加普通ブイヨンでは増殖できなかつた。以上の事実より,H. influenzaeの増殖に必要なX・V因子は気管ホモジネート上清液中に存在し,この中,X因子の存在がS. pneumoniaeの増殖を阻害したと考えられた。また,肺ホモジネート上清液中には両菌種の増殖に必要なV因子は存在するが,X因子は欠如,もしくは少量しか存在しないと考えられた。その他に肺ホモジネート上清液中にはH. influenzaeを増殖抑制する未知のたんぱく物質の存在が示唆された。
- 日本細菌学会の論文
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