L-アラニンとイノシンにより誘起されるBacillus cereus T芽胞の発芽におけるribosidaseの役割
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概要
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Bacillus cereus T芽胞のL-アラニンとイノシンによる発芽において,単独では発芽を惹起しえない濃度のイノシン溶液中で芽胞を予め保温し,これにL-アラニンを加えた場合,両化合物を同時またはこれとは逆の順序で添加した場合と比較して発芽率は低下する。この原因を明らかにすることを目的として実験を行い,以下の成績を得た。1. 本菌芽胞を0.05mMイノシン溶液中で保温することにより,上清中にヒポキサンチンが生成され,その濃度は保温時間の経過とともに増加した。ヒポキサンチンやD-リボースおよび代謝によりイノシンから生じることが可能な数種の化合物による発芽阻害は認められなかつた。2. 本菌芽胞は,0.05mM L-アラニン存在下にイノシンの非代謝性構造類似体であるフォーマイシンBによつて発芽した。また,予め芽胞をフォーマイシンB (0.025-1.0mM)溶液中で保温したが,この場合,発芽率の低下は生じなかつた。以上の結果に基づき,予めイノシン溶液中で保温することに伴う発芽率の低下は,その保温期間に芽胞によるイノシンの分解が進行し,その結果,残存するイノシン濃度が減少することが原因であると結論した。
著者
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柴田 洋文
徳島大学薬学部
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谷 勇
徳島大学薬学部
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大西 憲明
徳島大学薬学部微生物薬品化学教室
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武田 佳子
徳島大学薬学部微生物薬品化学教室
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柴田 洋文
徳島大学薬学部微生物薬品化学教室
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谷 勇
徳島大学薬学部微生物薬品化学教室
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