Streptococcus faecalisの無細胞抽出物によるMetronidazoleの不活化について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Streptococcus faecalisの菌体を超音波処理して無細胞抽出物とし,この抽出物のMetronidazole不活化活性および不活化因子とみなされるnitroreductase活性について検討した。MetronidazoleはS. faecalisの抽出物によつて液体培地中で不活化され,GLCおよびbioassayで検出されなくなる。この不活化因子の活性は培地の種類によつて低いことがあり,培養〓液中にも認められないため,見逃がされることもあるが,培養時の酸素の有無にかかわらず産生され,Metronidazoleによつて誘導されず,同剤を含まない培地でも産生される構成的な不活化因子である。Metronidazole不活化活性は生菌の場合と同様にEscherichia coliの抽出物にも認められ,Streptococcus agalactiae, Staphylococcus aureus, Serratia marcescensの抽出物には認められない。nitroreductase活性はMetronidazole不活化活性を示す菌の抽出物に認められ,同剤を不活化しない菌の抽出物には認められない。したがつてS. faecalisの抽出物によるMetronidazoleの不活化は,抽出物のnitroreductaseがMetronidazoleのnitro基を還元するためであると考える。
- 日本細菌学会の論文
著者
-
中村 正夫
聖マリアンナ医科大学臨床検査部
-
成川 新一
聖マリアンナ医科大学 微生物
-
成川 新一
聖マリアンナ医大微生物学教室
-
原沢 功
聖マリアンナ医大
-
原沢 功
聖マリアンナ医科大学病院臨床検査部細菌
-
中村 正夫
聖マリアンナ医科大学臨床検査医学教室
関連論文
- Holter心電図解析の省力化と解析結果の簡略化について
- アカントアメーバ角膜炎の重症2例
- 各種抗リウマチ薬の抗菌・抗真菌作用
- 各種抗リウマチ薬の抗菌作用 : 特に Helicobacter pylori を中心に
- Streptococcus faecalisの無細胞抽出物によるMetronidazoleの不活化について
- II-A-1 高速液体クロマトグラフィー^[○!R]による血中抗てんかん薬測定の進歩と血中濃度
- 凍結及び凍結乾燥による黄色ブドウ球菌の莢膜産生能と形質保存に対する安定性(昭和53年度第24回凍結及び乾燥研究会特別報告および研究報告)
- 臨床細菌検査の簡易,迅速化の現状と問題点 (細菌同定の迅速化へのアプロ-チ)
- これからの臨床検査の動向-3-臨床細菌検査
- 迅速診断法の現状とその評価 (臨床細菌検査) -- (感染症の診断の進め方)
- ウイルス感染症の迅速診断
- ウイルス同定簡易検査 (臨床検査) -- (新しい検査とデ-タの読み方)
- Metronidazole strip法による嫌気性菌集落の鑑別について
- 無芽胞嫌気性菌の実験的マウス単独感染皮下膿瘍と培養培地および患者検体中の低級脂肪酸のガスクロマトグラフィ-(GLC)による比較について
- Metronidazoleディスクによる嫌気性感染の鑑別診断
- Streptococcus faecalisの無細胞抽出物によるMetronidazoleの不活化について
- 総合病院における環境管理と検査
- Campylobacter jejuniのMetronidazole感受性親株と耐性変異株の酸素要求度の相違
- 表皮ブドウ球菌より抽出したCompact colony forming active substanceの血清学的ならびに生化学的性状について
- Measurement of Fosfomycin by High-Performance Liquid Chromatography