ナラタケモドキとワタゲナラタケのフユザクラ接ぎ木苗への接種試験
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ナラタケモドキはサクラ類の根株腐朽病菌として近年問題となっている。そこで, 被害林から分離されたナラタケモドキとワタゲナラタケを用いてサクラ苗への接種試験を行った。ナラタケモドキ接種苗4本のうち1本が接種4年後に枯死した。それらすべての接種苗の根系に菌糸束は認められなかったが, 根株の外樹皮, 内樹皮および形成層に菌糸膜が形成され, 枯死苗では地際部の形成層を取り巻いていた。一方, ワタゲナラタケ接種苗は4本すべて枯死しなかった。それらすべての接種苗の根系に多数の菌糸束が絡み付いていたが, 菌糸膜の形成は外樹皮の一部に限られ, 内樹皮と形成層での菌糸膜形成は接種苗1本の細い根数本のみに認められた。接種苗からはそれぞれの接種菌が再分離された。対照苗3本はすべて枯死せず, 菌糸膜や菌糸束の形成も認められなかった。これらの結果から, ナラタケモドキはサクラ苗の内樹皮と形成層に侵入し, さらに枯死させることが明らかになった。
著者
関連論文
- シラカシに枝枯れ症状を起こすXanthomonas属細菌の同定
- クサギカメムシによるキリてんぐ巣病ファイトプラズマの媒介試験(第7回大会ポスター発表要旨)
- マンサク葉枯れ被害の特徴と赤城山・武尊山周辺における被害分布(一般講演(口頭発表),第7回大会講演要旨)
- ならたけもどき病被害地におけるナラタケ属菌の杭捕捉法による検出
- 「小高のカヤ」の樹勢衰退とその原因
- (333) ウメからファイトプラズマ検出(平成20年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- ホルトノキ萎黄病に対する抗生物質の樹幹注入による薬害発生と樹勢回復(臨症事例)
- (340) Prunus属樹種から検出されたファイトプラズマ(平成19年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- マツ類の主な病害虫(2)枝幹の病害(1)漏脂胴枯(ろうしどうがれ)病
- ホルトノキ萎黄病に対する抗生物質樹幹注入試験 : 効果と薬害について(一般講演(口頭発表),第8回大会講演要旨)
- ホルトノキ萎黄病による衰弱枯死経過(第7回大会ポスター発表要旨)
- ナラタケ菌の捕捉試験と捕捉菌の交配試験による種の判定(一般講演(口頭発表),第7回大会講演要旨)
- ファイトプラズマによるホルトノキの衰弱枯死被害 : ホルトノキ萎黄病ともうひとつの新病害(一般講演(口頭発表),第5回大会講演要旨)
- ホルトノキから検出された異なる群の2種類のファイトプラズマ(関東部会講演要旨)
- (17) ファイトプラズマによるホルトノキ萎黄病(新称) (関東部会講演要旨)
- (115) スギ暗色枝枯病から派生するアンコ(スギ心材のくろじん様変色被害) (平成2年度大会講演要旨)
- ナラタケ属菌の分類・系統・生態およびならたけ病の防除
- 葉枯症状を示すマンサク類に寄生するPhyllosticta属菌の同定と接種試験
- 女性研究職員の家庭と仕事の両立事情 : 森林総研編(公開シンポジウム,日本森林学会における男女共同参画の実現を目指して)
- ナラタケモドキとワタゲナラタケのフユザクラ接ぎ木苗への接種試験
- ナラタケモドキとワタゲナラタケのフユザクラ接ぎ木苗への接種試験
- ホルトノキ萎黄病罹病木におけるオキシテトラサイクリン製剤樹幹注入後のオキシテトラサイクリン濃度およびファイトプラズマ検出
- 第56回国連婦人の地位委員会(CSW56)NGOフォーラムに参加して