カラーフィルムを用いた歯肉色の測定と解析法について (第2報)

概要

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第1報において提案したカラーフィルムによる3色帯測光法に基づいて得られる色判別値 (CDI) を用いて, 実際に成人41名を対象として歯肉色の測定を行った。 歯肉の撮影はオーラルアイカメラを用いて行い, 上顎前歯部唇側歯肉3〓3までの歯間乳頭宙肉5力所, 歯頸部辺縁歯肉6力所の計11力所, 総計451力所のCDIを測定した。 また, 再現色度xyも測定し, CDIとの比較を行ってカラーフィルムを用いる歯肉色測定の問題点について検討した。 歯肉色測定の結果, 男女差をみると男性が女性より, 歯頸部辺縁歯肉と歯間乳頭歯肉では辺縁歯肉がいづれもやや赤味を帯びた傾向を示した。この結果は, 微小面色彩計を用いた西田らの測定とほぼ一致している。 一方, 色度xyとCDIの比較を行った結果, xyの値はストロボ光の照射特性, cosine4乗則による光量不足の影響を受けるのに対して, CDIではこれらの誤差は十分に補正できた。また, 異なった条件で撮影された歯肉についてもCDIは, xyに比べてはるかに変動の少ない値が得られその有効性が確められた。 本報では, さらにCDIを特徴ベクトルとして判別関数を用いて正常歯肉となんらかの異常を有する歯肉を分類する手法についても述べる。