歯科診療における空気清浄装置 (ピュアトロン) の有効性について
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概要
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歯科診療において, 使用頻度の高いものの一つに, エァーコンプレッサーがあるが, それから吹きだされる空気は, 口腔内の治療に使用されるため, 清浄でなければならない。しかし, 我々の研究ではその空気は清浄とはいい難く, また清浄でないという報告もなされているし, その対策についての報告も少ない。今回我々は2箇所においてエアーコンプレッサーから吹き出される空気中に含まれている, 粉塵, 細菌, 水分等を除去し, 歯科用ユニットに清浄空気を供給するピュアトロンを入手する機会を得たのでその効果について若干の検討を行なった。除塵効率についてはRoyco 202 airborne particle moniterによって大きさ別に15段階にわたって測定し, 除菌効率はSY式pin hole sarnplerをもちいて行ない, 除湿効果についても測定した。<BR>その結果, 1) 実験室内における粉塵粒子の除塵効率は, 1.5μ以上で100%を示し, 歯科診療室では, 2.0μ以上で100%を示した。2) 除菌効率は, 実験室内では99.6%を示し, 歯科診療室では100%を示した。3) Serratia marcescens菌噴霧時の除菌効率は, ピュアトロン吸込み口のコロニー数が3.60±0.34個/1の時に100%を示した。4) 除湿効果については, ピュアトロン通過後の湿度はすべて36%を示した。<BR>今後ますます口腔内の治療という点からこの様な器材の必要性が高まることが予想されるが, より高い除塵, 除菌効率を示す高性能な器材の開発をしていかなければならないと思う。
著者
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相良 徹
日本大学歯学部衛生学教室
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高橋 陸雄
日本大学歯学部衛生学教室
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長谷川 泰啓
日本大学歯学部衛生学教室
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橋本 良幸
日本大学歯学部衛生学教室
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福原 幹二
日本大学歯学部衛生学教室
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杉本 源衛
日本大学歯学部衛生学教室
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小沢 亨司
日本大学歯学部衛生学教室
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