バンバリーミキサーにおけるスケールアップ効果について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ラボスケールのバンバリーと生産現場のバンバリーとの練り効果の違いはゴムの開発や配合設計の能率を落とす要因の一つとなっている. そこで, バンバリーのスケールアップ効果について, 定量的な解明を試みた.実験用の250ccのバンバリーを独自に試作し, 練り条件とローター形状を因子として, 混練り実験を行った. 同時に, 9号バンバリー等でも混練り実験を行った. まず, 混練りした配合物に対して測定した種々の物性値を解析した結果, ユニットワーク値, ムーニー粘度, バウンドラバー量及び重量平均分子量の4つの特性値で配合物の性質を特定できることを見出した. 続いて, 上記特性値に対して, 変数増減法による二次回帰分析によりローター形状因子や練り条件を変数とする回帰式を求め, この回帰式から計算される特性値Xiと9号バンバリー練りの配合物の実測特性値Miについて,: S=∑<4><i=1>{(Mi-Xi)/σi}2 (σiはXiの標準偏差)を評価し, S値を最小にするような条件を算出することによって, 9号バンバリーの練り効果を再現するように250ccバンバリーの条件や諸因子の値を決定した.その結果, ローターの形状は, 大型機を相似形で縮小した場合より, ギャップを大きくし, ランド幅も大きくする必要があり, かつ, 練り条件については, ローター回転速度を速くし, 設定温度を高くしたほうがよいということがわかった. 実際にその確認実験も行った.
- 社団法人 日本ゴム協会の論文
著者
-
尾畑 寛
日本合成ゴム(株)開発センタ
-
河西 和雄
日本合成ゴム株式会社開発センター
-
楊井 啓吉
日本合成ゴム株式会社エレクトロニクス研究所
-
楊井 啓吉
日本合成ゴム (株) 総合加工技術研究所
-
河西 和雄
日本合成ゴム(株)四日市研究所
-
尾畑 寛
日本合成ゴム株式会社開発センター
関連論文
- ABS樹脂のフロン吸収挙動と環境応力破壊現象
- シンジオタクチック1,2-ポリブタジエン(JSR RB) (新製品・新技術紹介発表講演会--講演要旨)
- バンバリーミキサーにおけるスケールアップ効果について
- コンパウンド中のゴムとカーボン•ブラックとの間の相互作用
- 加硫ゴムの疲労破壊過程に関する研究
- 新しい耐カット性の評価方法とその物理的意味
- 有限変形下におけるNR,NBR,SBR加硫物の力学的性質に関する研究
- 加硫ゴムの引裂抵抗を支配する応力集中因子
- 静的粘弾性関数から直接動的粘弾性関数を求める近似式