加硫ゴムの疲労破壊過程に関する研究
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概要
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加硫ゴムの破壊理論には試料に存在する潜在的な欠陥点のサイズ分布を Griffith の理論によって強度分布と結びつけた flaw 説があるが, 疲労破壊においては flaw から発生したクラックの生長やマクロ的な破壊に導くクラックの臨界条件等破壊に至るまでのプロセスの解析が材料寿命を決めるうえで問題となると考えられる.我われはSBR, BR, NR, の各加硫ゴムに対して応力を0から一定レベル(σ)までの定速伸長繰り返し疲労実験を行い, その破断面のモルホロジー解析からクラックの成長速度や臨界クラックの大きさを最大応力(σ)と関係づけた. 縞状領域として観察されるクラックの成長は疲労回数に対して指数関係的に表されること, また, マクロな破壊に導くクラックの臨界値は Griffith による破壊の理論式が適応できることがわかった. 同時に疲労による内部構造の変化をパルスNMRによって測定し, 疲労の初期に特徴的な変化があることを確認した.
- 社団法人 日本ゴム協会の論文
著者
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尾畑 寛
日本合成ゴム(株)開発センタ
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田形 信雄
日本合成ゴム (株) 総合加工技術研究所
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長谷川 亨
日本合成ゴム株式会社研究開発本部開発センター第3開発グループ
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尾畑 寛
日本合成ゴム株式会社研究開発本部開発センター第3開発グループ
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田形 信雄
日本合成ゴム株式会社研究開発本部開発センター第3開発グループ
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