軽い萎凋により香気と滋味が高くなる茶新品種‘ゆめわかば’の育成
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概要
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茶新品種‘ゆめわかば’が埼玉県農林総合研究センター茶業特産研究所で育成された。‘ゆめわかば’は1968年に‘やぶきた’ב埼玉9号’の交配により得られた個体群より選抜され,1994年から2003年に県単試験を含む栄養系適応性試験,裂傷型凍害抵抗性及びもち病抵抗性検定試験を実施し,更に2004年,2005年には香気の更なる発揚を目的に試験を行った。この結果,優秀と認められ,2006年10月17日に茶農林53号‘ゆめわかば’として命名登録,2008年10月16日に品種登録された。‘ゆめわかば’は摘採期が‘やぶきた’より1日から2日遅い中生品種である。生育,収量とも‘やぶきた’並である。耐寒性は赤枯れ抵抗性が「強」,青枯れ抵抗性が「やや強」,裂傷型凍害抵抗性が「強」でいずれも‘やぶきた’より強い。また,病虫害抵抗性は,炭疽病に「やや強」である。製茶品質は外観が優れ,内質も‘やぶきた’並に優れる。また,摘採葉を重量減15%から20%に軽く萎凋させることによって,香気及び滋味が向上する。耐寒性が強いために,関東やそれに類似した冷涼な茶産地に適する。
著者
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中島 健太
埼玉県茶業試験場
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酒井 崇
埼玉県農林総合研究セ
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内野 博司
埼玉県農林総合研究センター 茶業特産研究所
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本多 勇介
埼玉県農林総合研究センター 茶業特産研究所
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中島 健太
埼玉県農林総合研究センター 茶業特産研究所
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佐々木 功二
埼玉県農林総合研究センター 茶業特産研究所
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小林 明
埼玉県農林総合研究センター 茶業特産研究所
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田中 江里
埼玉県川越農林振興センター
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久米 信夫
埼玉県農林部農業支援課
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小林 明
埼玉県農林総合研究セ 茶業特産研
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佐々木 功二
埼玉県農林総合研究セ 茶業特産研
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田中 江里
埼玉県川越農林振興セ
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酒井 崇
埼玉県農林部農業支援課
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