埼玉県における日常の緑茶飲用実態及びカテキン類摂取量の推計
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
がん予防効果が報告されている緑茶10杯に含まれる主要カテキン類摂取量について知見を得るために,消費者29人を対象にした緑茶の淹れ方及び消費者149人(男性33人,女性113人)を対象にした日常の緑茶飲用における主要カテキン摂取量の測定を行った。<BR>緑茶の淹れ方については,茶葉量が1.9〜9.6g,浸出時間が12〜107秒と個人差が大きいことがわかった。茶葉量を多くし,浸出時間を長くすると主要カテキン類の浸出度合いを多くすることができる。<BR>主要カテキン類の摂取推定量については,1日の緑茶飲用杯数は0〜15杯であり,1日の緑茶からの主要カテキン類平均摂取推定量は481.0mg(0〜2722.9mg)でそのほとんどが急須で入れた緑茶から摂取したものであった。がん予防に有効とされている10杯以上緑茶を飲用する人は11.6%で,1日の緑茶からの主要カテキン類平均摂取推定量は1299.0mgであった。また,年齢層が高い人ほど飲用杯数が多く,主要カテキン類摂取推定量が多かった。若年層や男性への緑茶飲用の啓蒙が重要である。<BR>今回の調査及び今井らの報告から考察すると,「がん予防効果から考えられる健康に良いお茶の淹れ方」は緑茶を1日約155ml,10杯以上飲用し,主要カテキン類を約1.3g摂取することが目安である。茶葉量や浸出時間を増やすことなどでカテキン類摂取量をさらに増加することができる。
- 日本茶業技術協会の論文
著者
-
中島 健太
埼玉県茶業試験場
-
高橋 淳
埼玉県花と緑の振興センター
-
中島 健太
埼玉県川越農林振興センター
-
岡田 格
埼玉県農林総合研究センター茶業特産研究所
-
梶浦 圭一
埼玉県農林総合研究センター茶業特産研究所
-
嶋崎 豊
埼玉県農林総合研究センター茶業特産研究所
-
岡田 格
埼玉県農林総合研究セ
関連論文
- 煎茶用品種むさしかおりの育成
- 34 定植前の土壌処理(天地返し,堆肥投入)や定植後の施肥量が幼茶樹の生育・収量等に及ぼす影響
- 埼玉県における日常の緑茶飲用実態及びカテキン類摂取量の推計
- 軽い萎凋により香気と滋味が高くなる茶新品種‘ゆめわかば’の育成