有機加硫促進剤中のイオウと元素イオウとの交換反応について (その1) : 加硫促進機構に関する研究 (第1報)
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概要
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有機加硫促進剤のテトラメチルチウラム-ジサルファイド (TT), テトラメチルチウラム-モノサルファイド (TS) および2-ベンゾチアゾリル-ジサルファイド (DM) 中のイオウと元素イオウとの交換反応について, 放射性イオウを使用して, キシレン溶液の均一系で実験した.ビス型促進剤のTTおよびDMには誘導期がある, これは反応において (1) S-S結合が熱解離してラジカを生成し, (2) このラジルカルと元素イオウとが交換する2段階が律速であるとみられる.TTとDMにおけるS-S結合の解離はTTのほうが容易である, そのためにTTのほうが早期に変曲点があらわれる.交換反応の変曲点における反応速度からラジカルと元素イオウとの交換反応の活性化エネルギーを求めるとTT 30 kcal/mol, DM 23 kcal/molである.TSの交換反応はC-S結合が解離してラジカルを生成し, 反応初期においてはこのラジカルと元素イオウが交換したTSを生ずるが, 次第にこのラジカルにイオウ原子1個が付加してTTを生ずるようになる.
- 社団法人 日本ゴム協会の論文
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