有機加硫促進剤中のイオウと元素イオウとの交換反応について (その2) : 加硫促進機構に関する研究 (第2報)
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概要
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有機加硫促進剤の2-メルカプトベンゾチアゾール(M), 2-メルカプトベンゾチアゾール-シクロヘキシルアミン塩 (MH), およびピペリディニウムペンタメチレンジチオカーバメート(PP)中のイオウと元素イオウとの交換反応について放射性イオウを使用してキシレン溶液の均一系で実験した.これら促進剤はいずれも反応の初期においてはゼロ次反応であることを認めた.前報にて報告したテトラメチルチウラムジサルファイド(TT), テトラメチルチウラムモノサルファイド(TS)および2-ベンゾチアゾリルジサルファイド(DM)には誘導期があり2段階の律速があるがM, MHおよびPPはこれとは全く異なり反応の開始時から促進剤は元素イオウと交換しやすい形をとり律速段階は一段であるとみられる.Mの交換反応はゼロ次として測定されたがMおよびS<SUP>*</SUP>についてそれぞれ一次に近い反応である.Mは反応開始時からS<SUP>*</SUP>と反応しやすいチオン型になっていると考えられ, その交換機構はBlokhらの説を支持する.一方MHおよびPPは交換速度が著るしく大きいがこれは配位結合が熱により容易にイオン解離しできたC-S<SUP>-</SUP>が元素イオウと反応しやすいためとN<SUP>+</SUP>-が交換反応を促進する作用があるためと考えられる.活性化エネルギーはM23.<SUB>6</SUB>kcal/mol, MH 15.<SUB>1</SUB>kcal/mol PP11.<SUB>7</SUB>kcal/molである.
- 社団法人 日本ゴム協会の論文
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