茶葉カテキンの酸化機構に関する研究(第1報) : カテキンの酵素酸化について
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概要
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茶葉カテキン類の個々の成分につき酵素酸化反応を行い,反応の経過を定性的,定量的に比較攻究し,次の結果を得た. (1) (+)カテキン,エピカテキン,ガロカテキン及びガロカテキンガレートを各単独に茶葉酸化酵素と反応させると,それぞれ特有の酸化生成物を生じ,特にo-dihydroxyphenol型カテキンとvic-trihydroxyphenol型カテキンの間に差が著しい. (2) (+)カテキンとガロカテキンの混合酸化ではvic-trihydroxyphenyl基を有するガロカテキンの減少が先に進行し,その大部分が減少してから(+)カテキンの減少が認められる. (3) 赤血塩試薬で呈色するフェノール性生成物としては,ガロカテキンから生ずるA1とA2,ガレートから生ずるC,及び両者混合酸化の際のB物質が顕著で,かかる物質を生ずるのはvic-trihydroxyphenyl基を有する化合物の特色と認められる. 終りに当り,有益な御助言をいただいた東京農業大学山本 亮教授,九州大学大島康義教授ならびに茶葉酸化酵素の調製に便宜を与えられた埼玉県立茶業研究所吉田宏之技師に感謝いたします.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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