熟成食酢の平衡蒸気成分
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概要
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食酢を8年間貯蔵熟成し,貯蔵期間と蒸気酢酸濃度の関係を明らかにした. (1) 長期間貯蔵した高酸度ホワイトビネガーの酢酸蒸気分圧および蒸気成分中の酢酸濃度は,同酸度の酢酸水溶液に比べて小さく,貯蔵期間が長いほどその差が著しい. (2) 酢酸水溶液の酢酸蒸気分圧,蒸気酢酸濃度に影響を与えると考えられる食酢中の主要微量成分,エタノール,酢酸エチル,糖についてその影響を明らかにした.単一成分の影響および複合効果を調べた. (3) 長期間貯蔵したホワイトビネガーの酢酸蒸気分圧および蒸気酢酸濃度減少は,エタノール,酢酸エチル,糖による影響より明らかに著しいことを認めた. (4) 食酢の貯蔵熟成に伴う香味の円熟は,酢酸蒸気分圧,蒸気酢酸濃度の減少とよく対応しており,この原因は,微量化学成分の影響によるものではない.蒸留酒の熟成と同様,液体構造が貯蔵中に変化することが考えられるので,液体物性の面から検討する必要がある.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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